UFC 307 プロモーションガイドライン遵守支払い:ヴェノム契約後の総支払い額が2900万ドルを突破
UFC(Ultimate Fighting Championship)は、総合格闘技(MMA)の最大手団体として、選手への報酬制度が充実しています。特に、2021年にフランスの格闘技ブランド「ヴェノム(Venum)」とのスポンサー契約を締結したことで、選手に支払われる報酬は新しい段階に入りました。2024年10月に行われたUFC 307では、プロモーションガイドライン遵守支払いの総額が2900万ドルを超え、この契約の大きな影響が再び浮き彫りになりました。
しかし、この報酬はファイトマネーと混同されやすいですが、実際にはファイトマネーとは別に支払われる報酬です。今回は、ヴェノム契約後の報酬制度やその詳細について詳しく解説していきます。
ヴェノム契約とプロモーションガイドライン遵守支払いとは?
ヴェノム契約は、UFCが2021年にリーボックとの長期契約を終了した後、新たに公式衣装スポンサーとしてヴェノムと締結したものです。この契約に基づき、選手は試合や公式イベントでヴェノムのファイトウェアを着用し、その対価として「プロモーションガイドライン遵守支払い」を受け取ります。
プロモーションガイドライン遵守支払いとは、UFCが定める一連のガイドライン(公式ユニフォームの着用、メディア対応など)を遵守することで選手が得られる報酬です。この支払いは試合数やキャリアの長さに応じて段階的に増加し、UFCでの試合経験が多い選手ほど報酬額も高くなります。
ファイトマネーとの違い
プロモーションガイドライン遵守支払いは、ファイトマネーとは完全に別の報酬です。ファイトマネーは、選手が試合に出場することで受け取る基本報酬であり、個々の選手の契約内容によって異なります。これには基本的な出場料と、勝利した際に加算されるウィンボーナスが含まれます。
一方で、プロモーションガイドライン遵守支払いは、ヴェノム契約に基づいて支払われる固定の報酬です。選手は試合数に応じた金額を試合ごとに受け取りますが、これはファイトマネーや勝利ボーナスとは別枠で支給されます。
さらにプラスされる報酬
UFCでは、ファイトマネーやプロモーションガイドライン遵守支払い以外にも、ボーナスが追加されることがあります。以下が主な追加報酬です:
- 勝利ボーナス:試合に勝利した選手は、契約によって設定された追加のボーナスを受け取ります。これはファイトマネーに上乗せされ、選手の報酬がさらに増える仕組みです。
- ファイト・オブ・ザ・ナイト:大会で最もエキサイティングだった試合に贈られる賞で、受賞者には通常5万ドルのボーナスが支払われます。ファンにとっても、選手にとっても名誉ある賞です。
- パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:特に印象的なパフォーマンスを見せた選手に対して贈られる賞です。こちらも通常5万ドルのボーナスが追加され、選手のモチベーションを高める大きな要素となっています。
UFC 307で支払われた金額の内訳
2024年10月に開催されたUFC 307では、選手たちがプロモーションガイドライン遵守支払いとして受け取った総額は407,500ドルに達しました。以下は、主な選手への支払いの内訳です。
- アレックス・ペレイラ: $42,000
- カリル・ラウントリー: $32,000
- ジュリアナ・ペーニャ: $32,000
- ラケル・ペニントン: $42,000
- マリオ・バティスタ: $11,000
- ジョゼ・アルド: $21,000
これらの金額は、選手のキャリアやUFCでの試合数に基づいて計算されています。特にチャンピオンやタイトル挑戦者は報酬が高く、例えばチャンピオンには42,000ドル、タイトル挑戦者には32,000ドルが支払われます。
ヴェノム契約の支払い制度の仕組み
ヴェノム契約に基づくプロモーションガイドライン遵守支払いは、選手の試合数によって以下のように決まります:
- 1〜3試合の選手:$4,000
- 4〜5試合の選手:$4,500
- 6〜10試合の選手:$6,000
- 11〜15試合の選手:$11,000
- 16〜20試合の選手:$16,000
- 21試合以上の選手:$21,000
チャンピオンは42,000ドル、タイトル挑戦者には32,000ドルが支払われ、これらの報酬はヴェノムとの契約に基づき安定して提供されます。
さらに、この支払い制度には、UFCでの試合数だけでなく、ズッファ(Zuffa)時代のWECやストライクフォースでの試合もカウントされるため、キャリアの長い選手にとっては大きなメリットです。
UFC 307以外での総支払い額と推移
ヴェヌム契約後のプロモーションガイドライン遵守支払いは、2024年10月現在で総額29,039,500ドルに達しており、年々増加しています。以下は、2024年に行われた他のイベントでの支払いの一部です。
- UFC Fight Night 243: $173,500
- UFC 306: $239,500
- UFC 305: $243,500
- UFC 304: $307,500
- UFC 303: $311,500
このように、UFCの各イベントで選手たちに支払われる金額は、毎回数十万ドルに及び、選手たちの収入を支える大きな要素となっています。
ヴェノム契約の他の格闘技団体との違い
ヴェノム契約によるプロモーションガイドライン遵守支払いは、他の格闘技団体と比較しても非常に特徴的です。多くの団体では、ファイトマネーや勝利ボーナスが選手の主要な収入源ですが、UFCではスポンサー契約に基づく収益も選手に還元される仕組みが整っています。
特に、若手や中堅選手にとっては、試合に出場するたびに安定した収入を得られる点が大きな魅力です。これにより、選手たちはキャリアを通じて生活基盤を築き、長期的に活躍するための環境が整っています。
ヴェノム契約の今後と選手へのメリット
ヴェノム契約によるプロモーションガイドライン遵守支払いは、UFCの選手報酬制度において重要な役割を果たしており、今後もさらなる成長が見込まれます。選手にとって、この制度は単なる試合報酬以上の価値があり、特にキャリア初期の選手にとっては経済的な安定を提供します。
加えて、選手はUFC関連グッズの売上からロイヤリティを受け取ることもできるため、試合以外でも収入を得るチャンスが広がっています。これにより、
選手たちは安心して競技に集中し、パフォーマンスを向上させることができるのです。
結論として
UFC 307で示されたように、ヴェノム契約に基づくプロモーションガイドライン遵守支払いは、選手にとって重要な収入源となっています。これにより、選手はファイトマネーに加え、安定した報酬を得ることができ、さらにパフォーマンスや勝利に応じたボーナスも上乗せされます。
UFCが世界最大の総合格闘技団体であり続ける中で、選手への報酬制度も進化し続けるでしょう。今後もヴェノム契約による支払いが、選手たちのキャリアを支える大きな柱であり続けることは間違いありません。
【参考URL】
【今日のUFC307に関する記事はこちら】
ペレイラがUFC 307で3度目の防衛を果たす!過酷なファイトキャンプを乗り越えた勝利https://www.horimemo.online/?p=2657
ジョゼ・アルド vs マリオ・バティスタ:激戦の判定結果とMMAにおける判定基準の課題https://www.horimemo.online/?p=2653
コメント