今週末、UFCファイトナイト・デンバーでトレイシー・コルテスがローズ・ナマユナスとのメインイベントに挑む予定です。しかし、計量をクリアするために彼女が行った驚きの行動が話題になっています。この記事では、その詳細とコルテスの過去の計量問題について詳しく解説します。
トレイシー・コルテスの計量クリアへの道
計量オーバーの危機
トレイシー・コルテスは、UFCデンバーでの計量で126.5ポンドで0.5ポンドオーバーとなってしまい、クリアが危ぶまれていました。126ポンドのフライ級リミットを超えたまま計量時間が終わってしまう可能性があったため、彼女は緊急の決断を迫られました。
髪を切って計量クリア
コルテスは、計量をクリアするために大胆な行動に出ました。なんと、彼女は髪を切って体重を減らすことを決断しました。平均的な健康な人の頭皮には、80,000本から120,000本の髪の毛があります。これらの髪の毛の重さは6インチ(約15センチメートル)の髪で約6.1オンスから13オンス(約173グラムから368グラム)になります。つまり、髪を切ることで体重を大幅に減らすことができたのです。
計量当日、彼女は自らの髪を切り落とし、見事に126ポンドのリミットをクリアしました。この行動はファンやメディアに大きな衝撃を与えました。
↑カットした髪の毛を持って体重計に乗るコルテス(画像は計量を終えた後の画像で、本計量ではカーテンを使用してウェアを脱いだ状態で計量を測りました。)
近年では海外の格闘技や日本国内でも計量をオーバーしてしまう選手が増えています。なぜなら、その中でもオーバーをしてしまうことをあまり重く考えていない選手も一定数おり、規定体重をクリアすることよりもオーバーしてコンディションをできるだけ悪くせずに試合で勝利することが優先されてしまっていることも一つの原因と言われています。
そのような問題を何とか解決していかなければならない問題です。しかし、何とかして規定体重をクリアするために無理な減量を続けて命を落としてしまった選手も現実にいるため、周りも無理な減量を求めることも良い手段とは言えません。
そのため、近年はそのような計量ミスが各団体で数多く起きており、今回のコルテスのように髪の毛を切ってまで計量をクリアする選手は少ないため、そのプロ意識にリスペクトを表すコメントもいくつか見られました。もちろんクリアするのは最低条件だという意見のほうが多いとは思われますが。
↓計量をクリアするために髪を切るコルテス
「髪を切るなんて、そんなに体重に影響するの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実際、髪の重さは数百グラムに過ぎませんが、計量前の数百グラムが勝敗を分けることがあるのです。
コルテスのコメント
コルテスは、「何としてもこの試合に出場したかった。髪を切ることが唯一の方法だった」と語っています。彼女の決断は、自らのキャリアとファンへの強い思いを示しています。
コルテスの再計量の際に少し話題になったこと
コルテスが髪を切って全裸で体重計に乗って体重を測った際、計量を読み上げるスタッフが最初に「126.5ポンド」と言いました。それを聞いたコルテスは「え!?」という驚いた声を上げました。そしてスタッフがもう一度体重を測ると「126ポンド」と読み上げました。この出来事は一部のファンの間で「本当は126.5ポンドあってクリアできていないのではないか?」という疑問を引き起こしました。しかし、映像だけでは不正があったかどうかは判断できないため、真相は不明です。
過去の計量ミスとその影響
2019年の計量オーバー
コルテスは、2019年11月16日にUFC on ESPN+ 22でヴァネッサ・メロと対戦しました。この試合で、彼女は136.5ポンド(バンタム級ノンタイトル戦のリミット136ポンドを0.5ポンドオーバー)で計量をオーバーしました。しかし、試合は判定(3-0)でコルテスが勝利しました。
2021年の計量オーバー
また、2021年4月17日にUFC on ESPN 22でジャスティン・キッシュと対戦した際も、126.5ポンド(フライ級ノンタイトル戦のリミットを0.5ポンドオーバー)で計量をオーバーしました。この時は個人賞金の20%を対戦相手のキッシュに支払う罰金が科されましたが、試合はスプリット判定(2-1)でコルテスが勝利しました。
計量オーバーの背景
「なぜコルテスは計量オーバーを繰り返すのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。計量オーバーの原因は、体重管理の難しさや急な試合のオファーなど、さまざまな要因があります。コルテスの場合、急な代役出場や体重減少の限界が影響している可能性があります。
UFCデンバーでの戦い
メインイベントでの挑戦
今回のUFCデンバーでは、コルテスがメインイベントでローズ・ナマユナスと対戦します。この試合は、彼女にとってキャリア最大の挑戦となります。
「なぜこの試合が重要なのか?」
コルテスは、ナマジュナス戦での勝利を通じて、タイトル挑戦者の座を目指しています。特に、9月14日にラスベガスで予定されているノーチェUFCでアレクサ・グラッソとの対戦の可能性が浮上しています。
トレイシー・コルテスの背景とキャリア
プロフィール
- 本名:トレイシー・R・コルテス (Tracy R. Cortez)
- 生年月日:1993年12月10日(30歳)
- 出身地:アリゾナ州フェニックス、アメリカ合衆国
- 身長:165 cm
- 体重:57 kg
- 階級:フライ級
- リーチ:165 cm
- スタンス:オーソドックス
- 拠点:アリゾナ州スコッツデール
- Twitter:https://x.com/TracyCortezmma
- Instagram:Tracy R. Cortez(@cortezmma) • Instagram写真と動画
来歴
コルテスは、両親がメキシコからの移民であり、アリゾナ州フェニックスで生まれ育ちました。14歳の時に、総合格闘家であった兄ホセ・コルテスと元UFC選手のドリュー・フィケットの試合を観たことがきっかけで、総合格闘技のトレーニングを始めました。
兄ホセは後に胚細胞腫瘍が見つかり、2011年に亡くなりました。兄の死後、コルテスはうつ病を発症しましたが、家族や兄の親友であったヘンリー・セフードとアンヘル・セフードの助けを借りて立ち直りました。
総合格闘技のキャリア
コルテスは2017年、プロ総合格闘技デビューとなったInvicta FC 25でチェリ・ムラスキーと対戦し、ギロチンチョークで2ラウンド目に一本負けを喫しました。しかし、その後は快進撃を続け、現在までに12戦11勝1敗の戦績を誇ります。
トレイシー・コルテスの戦績
勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
---|---|---|---|---|
○ | ジャスミン・ジャスダビシアス | 5分3R終了 判定3-0 | UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenko 2 | 2023年9月16日 |
○ | メリッサ・ガト | 5分3R終了 判定3-0 | UFC 274: Oliveira vs. Gaethje | 2022年5月7日 |
○ | ジャスティン・キッシュ | 5分3R終了 判定2-1 | UFC on ESPN 22: Whittaker vs. Gastelum | 2021年4月17日 |
○ | ステファニー・エッガー | 5分3R終了 判定3-0 | UFC Fight Night: Moraes vs. Sandhagen | 2020年10月11日 |
○ | ヴァネッサ・メロ | 5分3R終了 判定3-0 | UFC Fight Night: Błachowicz vs. Jacaré | 2019年11月16日 |
○ | マリヤ・アガポバ | 5分3R終了 判定3-0 | Dana White’s Contender Series 21 | 2019年7月30日 |
○ | エリン・ブランチフィールド | 5分3R終了 判定2-1 | Invicta FC 34: Porto vs. Gonzalez | 2019年2月15日 |
○ | カレン・セディージョ | 2R 3:53 TKO(パウンド) | Combate Americas: Alday vs. Lopez | 2018年9月14日 |
○ | モニカ・メディナ | 1R 4:27 リアネイキドチョーク | V3 Fights 69 | 2018年6月16日 |
○ | ケイトリン・ニール | 5分3R終了 判定3-0 | Invicta FC 28: Mizuki vs. Jandiroba | 2018年3月24日 |
○ | ロクサン・シーザー | 5分3R終了 判定3-0 | World Fighting Federation 36 | 2017年11月4日 |
× | チェリ・ムラスキ | 2R 2:42 ギロチンチョーク | Invicta FC 25: Kunitskaya vs. Pa’aluhi | 2017年8月31日 |
今後の展望
タイトル挑戦の可能性
今回の試合で勝利すれば、コルテスはアレクサ・グラッソとのタイトル戦に名乗りを上げることができます。「メキシコ独立記念日にメキシコ人女性同士のタイトルマッチが実現するなんて、信じられないほどの出来事です」とコルテスは語っています。
長期的な目標
コルテスの最終的な目標は、UFCのチャンピオンベルトを手にすることです。「この試合に勝つことで、自分がどこまで行けるかを証明したい」と彼女は言います。現在のチャンピオンはアレクサ・グラッソという選手で、この試合でいい勝ち方をすれば大きくタイトルマッチに近づくことができる可能性があります。
前回のUFC303についての記事は↓こちらから読めます
まとめ
トレイシー・コルテスは、UFCデンバーでの計量をクリアするために髪を切るという大胆な決断をしました。過去に計量オーバーの経験がある彼女にとって、今回の成功は大きな意味を持ちます。ローズ・ナマユナスとのメインイベントでの勝利は、彼女のキャリアにとって重要な一歩となるでしょう。
「コルテスがタイトル挑戦者の座に滑り込むことができるのか?」、「彼女の次の試合はどのようなものになるのか?」彼女の今後の活躍に注目が集まります。
情報元、引用記事【MMAmania】
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