TOP BRIGHTSが正式に活動休止、新しい格闘技団体を立ち上げ、運営していく難しさについて
2024年1月に最初の大会を開催した格闘技団体「TOP BRIGHTS」が正式に活動休止を発表しました。この団体は、RIZINフライ級チャンピオン堀口恭司の兄、堀口健太氏が代表を務めており、「本物の格闘技」を見せることをコンセプトに掲げて設立されました。
しかし、第一回大会以降は大会を開催することができず、結果的に活動休止に至りました。
本記事では、「TOP BRIGHTS」が直面した問題や、新しい格闘技団体を運営していく上での課題について考察します。
活動休止に至った背景と要因
「TOP BRIGHTS」が掲げたコンセプトは、昨今のエンタメ重視の格闘技に対抗するものでした。例えば、朝倉未来氏が主催する「ブレイキングダウン」は、1ラウンド1分の試合形式で、ストーリー性やエンターテインメント性を重視したスタイルが話題を呼んでいます。一方で、「TOP BRIGHTS」はプロのファイターによる技術と真の強さを見せることを目的としており、エンタメ性ではなく格闘技の本質にフォーカスしていました。この違いが、結果として「TOP BRIGHTS」のファン獲得に苦労した要因となりました。
具体的に、第一回大会では確かな実力を持つプロファイターが出場しましたが、知名度の高い選手が少なかったため、「どっちが勝つのか」という勝敗への興味を引くことが難しかったのです。その結果、観客や視聴者の関心が薄れ、大会の売り上げは大幅な赤字に終わりました。それでも選手にはファイトマネーが支払われたとのことですが、運営としては厳しい状況に直面しました。
もう一つの原因として、エグゼクティブプロデューサーを担当している堀口恭司選手がまだ現役で選手をやっている状況なのですが、その堀口選手に対して運営していくための負担が大きくなってしまったようです。
最初の計画では堀口選手には自身の格闘技の練習に集中してもらい、現役中は負担がないようにするということで始まったそうですが、思った以上に堀口選手に対して負担が大きくなってしまったのも大きな理由にあるようです。
堀口恭司のYouTubeにて今回の件について動画が投稿しています。
格闘技大会を運営する難しさ
新しい格闘技団体を立ち上げる際には、多くの課題が待ち受けています。その中で特に重要なのが、会場の確保です。
格闘技の会場を抑えることは非常に難しく、大きな会場やアクセスの良い場所は1年以上前から予約で埋まっていることがほとんどです。
加えて、一度使用した主催者が翌年も同じ日を優先的に使用する権利が与えられるため、理想的な日時で会場を確保するのは至難の業です。
「TOP BRIGHTS」の場合も、第一回大会以降の会場手配が十分に行われておらず、これが後の大会開催の障害となったと考えられます。
さらに、選手の確保も大きな課題です。
実力のある選手はすでに他団体と契約していることが多く、試合に出場させるためにはその団体との交渉が必要です。格闘技の試合は減量や試合後の回復期間が長いため、選手の試合間隔が他のスポーツに比べて長くなります。
年に数回しか試合を行えない選手にオファーを出すには、競争力のある条件が求められるため、簡単には交渉が成立しません。
TOP BRIGHTSが直面した具体的な課題
- 会場手配の難しさ: 「TOP BRIGHTS」は第一回大会の会場手配に成功しましたが、次回以降の会場を確保していなかったため、継続的な大会運営が難しくなりました。格闘技団体を運営する上で、先を見据えた計画が求められます。
- 選手の確保と試合の調整: 強い選手を複数回の試合に出場させるためには、その団体内での試合数を増やす必要があります。これが他団体との関係性を悪化させる可能性があることも課題です。
- 競争激化する格闘技業界: エンターテインメント性を重視する団体が人気を集める中で、技術重視の団体として注目を集めることの難しさもありました。
結論として:今後の課題と可能性
「TOP BRIGHTS」の活動休止は、新しい格闘技団体が直面する現実を浮き彫りにしました。
競争の激しい業界で成功を収めるためには、確固たる戦略と綿密な計画が必要です。
それでも、格闘技を愛するファンが真の技術や熱意を求める場を提供する意義は大きく、今後の挑戦にも期待が寄せられます。
この記事を読んで「TOP BRIGHTS」の挑戦と格闘技業界の課題について考えるきっかけとなった方は、ぜひコメントやシェアをお願いいたします。あなたの意見が格闘技の未来を変えるかもしれません。
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