「死ぬほど苦しい」ウォーターボーディングとは|やり方・使用例・絶対に真似してはいけない理由

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ウォーターボーディング02
  1. ウォーターボーディングとは何なのか?どのようなときに使われてきたのか?ウォーターボーディングはどのようにやるのかとその危険性
    1. ウォーターボーディングとは:その基本的な定義と概要
    2. 具体的にどうやって行うのか:ウォーターボーディングの実行方法
      1. 手順1:被害者を仰向けに固定
      2. 手順2:顔に布をかぶせる
      3. 手順3:布の上から水を注ぐ
      4. 手順4:限界まで続けて、布を外し、一時的に呼吸させる
      5. 手順5:これを繰り返す
    3. どのような場面で使われてきたのか:歴史と事例
      1. 米CIAによる使用
      2. 国際的な議論と批判
    4. ウォーターボーディングによって得られるとされる「メリット」とその欺瞞
      1. その場しのぎの供述
      2. 倫理的・法的問題
    5. 危険すぎるその手法:身体的・精神的影響
      1. 身体へのダメージ
      2. 精神的トラウマ
    6. 日本におけるウォーターボーディング的手法の存在
      1. 歴史的には「水責め」
      2. 現代日本での呼称
    7. なぜ絶対にマネしてはならないのか?
      1. 命に関わる行為
      2. 法的責任と刑罰
    8. ウォーターボーディングの歴史:拷問としての使用の実態と国際的な流れ
      1. 【中世〜近世】宗教裁判や法制度の中で使われたウォーターボーディング
      2. 【17〜19世紀】植民地支配と戦争の中での利用
      3. 【20世紀】戦時中の拷問手段としての拡大
      4. 【現代】国際的な非難と法的禁止へ
      5. 要約と補足:ウォーターボーディングは歴史的に繰り返されてきた「拷問」である
    9. まとめ:ウォーターボーディングは「拷問」であり、人道的にも法的にも許されない
    10. 最後に:この記事を読んだあなたへ

ウォーターボーディングとは何なのか?どのようなときに使われてきたのか?ウォーターボーディングはどのようにやるのかとその危険性

SNSを中心に近年、密かに注目を集めている言葉に「ウォーターボーディング」があります。 特にX(旧Twitter)上では、実際の拷問手法としてではなく、「あの手法って実際どんなもの?」「怖すぎて冗談にならない」といった半ば都市伝説のように語られることもあります。

しかし、ウォーターボーディングは単なる話題性のある言葉ではなく、実在する極めて危険な拷問手法です。

本記事では、「ウォーターボーディングとは何なのか?」「どのような状況で使われてきたのか?」「実際にどのように行われるのか?」そして「その危険性やなぜ絶対にマネしてはならないのか」について、信頼性ある情報とともに徹底的に解説します。

ウォーターボーディングとは:その基本的な定義と概要

まずはウォーターボーディングという言葉の定義から確認しましょう。

ウォーターボーディング(Waterboarding)とは、顔に布をかぶせ、その上から水をかけることで、あたかも溺れているような感覚を与える拷問手法です。

呼吸が制限され、気道が水で塞がれるため、身体的にはもちろん、精神的にも極度の恐怖を引き起こすことが特徴です。

さらに、この手法は単に痛みを伴うだけでなく、「今にも死ぬかもしれない」という切迫した死の錯覚を与えることにより、尋問対象者から情報を引き出す目的で使われるのです。

具体的にどうやって行うのか:ウォーターボーディングの実行方法

https://x.com/zackdfilms1/status/1842263417354092998

【この動画の文字起こしと日本語訳】
The water would be poured on a cloth over your mouth if you’re being waterboarded. This water goes down your throat and blocks your airways, preventing you from breathing and inducing a sensation of drowning.

The inability to breathe triggers a gag reflex, and the cloth helps to prevent the water from being expelled. Even though the water flow is controlled to avoid actual drowning, the psychological and physical effects are severe.

【日本語訳】
ウォーターボーディングを受けている場合、水は口の上にかけられた布に注がれます。この水は喉に流れ込み、気道を塞ぐことで呼吸を妨げ、溺れているような感覚を引き起こします。

呼吸ができないことによって嘔吐反射が引き起こされますが、布があるため水を吐き出すことも困難です。実際に溺死することはないよう水の量や流れは調整されているものの、その心理的・身体的影響は非常に深刻です。

https://x.com/zackdfilms1/status/1842263417354092998
ウォーターボーディング01

手順1:被害者を仰向けに固定

まず、対象者は仰向けに横たえられ、動けないよう手足を縛られます。

手順2:顔に布をかぶせる

ガーゼやタオルなどの水を通す布を顔、特に鼻と口を覆うようにかぶせます。

手順3:布の上から水を注ぐ

一定量の水をゆっくりと、もしくは断続的に布の上からかけていきます。

このとき、水は布を通して喉や気道に流れ込むため、呼吸が困難になり、実際には溺れていないにも関わらず、溺れているような感覚を覚えます。

手順4:限界まで続けて、布を外し、一時的に呼吸させる

対象者が限界に達したタイミングで布を取り、一時的に呼吸を回復させます。

手順5:これを繰り返す

再び布をかけ、水を注ぐ。 このサイクルを繰り返すことで、対象者を精神的に追い詰め、証言や情報を引き出そうとするのがウォーターボーディングの目的です。

どのような場面で使われてきたのか:歴史と事例

それではこのような恐ろしい拷問が一体どのようなシチュエーションで行われてきたのか、現在分かっていること、出ている情報をまとめていきます。

米CIAによる使用

最も有名なのは、アメリカの中央情報局(CIA)が2000年代初頭、テロ容疑者に対して使用していたことです。

9.11テロ以降の「対テロ戦争(War on Terror)」の中で、過激派組織に関わるとされた人物への尋問において、ウォーターボーディングが使われたことが明らかになりました。

国際的な議論と批判

この行為は、国際人権団体や国連から激しい批判を浴び、多くの専門家が「明確な拷問」であると断言しました。

現在では多くの国や機関が、ウォーターボーディングを国際法違反として禁止または非推奨としています。

例えば、国際赤十字(ICRC)は以下のように述べています:

“Waterboarding constitutes torture and is prohibited under international law.” (ウォーターボーディングは拷問であり、国際法の下で禁止されている)

参照:International Committee of the Red Cross – ICRC

ウォーターボーディングによって得られるとされる「メリット」とその欺瞞

一部の主張では、ウォーターボーディングのような過酷な尋問手法によって、短時間で有益な情報が引き出せるとされています。

しかし、これは大きな誤解です。

その場しのぎの供述

極度の苦痛や恐怖状態では、人は正確な情報よりも「とにかく今の状況を脱したい」と考えるようになる言われています。

その結果、嘘の供述や虚偽の情報を述べることが多くなり、真実の解明にはつながらないことが多いのです。

倫理的・法的問題

さらに言えば、拷問によって得られた情報は、法的には証拠能力を持たないことが一般的であり、法廷では認められないケースがほとんどです。

したがって、ウォーターボーディングには実用性も正当性もないというのが、多くの専門家の見解です。

危険すぎるその手法:身体的・精神的影響

身体へのダメージ

水が気道に入ることで、肺炎や低酸素症、心停止のリスクも指摘されています。

また、嘔吐反射による窒息、気道の炎症など、深刻な健康被害につながる可能性があります。

精神的トラウマ

加えて、ウォーターボーディングを経験した人々は、長期間にわたるPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされることがあります。

悪夢、過呼吸、日常生活に支障をきたす不安障害など、その影響は極めて深刻です。

日本におけるウォーターボーディング的手法の存在

歴史的には「水責め」

日本においても、江戸時代などには「水責め」と呼ばれる拷問が存在しました。

これは井戸水を使って大量に飲ませたり、水桶に顔を沈めたりすることで苦しめるもので、ウォーターボーディングと共通点があります。

現代日本での呼称

現在では「ウォーターボーディング」というカタカナ表記が一般的に使われており、明確な日本語名称は存在していません。

一部では「疑似溺水拷問」や「布を使った水拷問」などと説明的に表現されることもありますが、これはごく限られた例です。

なぜ絶対にマネしてはならないのか?

SNSで話題になることもあるウォーターボーディングですが、興味本位や悪ふざけで絶対に真似をしてはいけません。

命に関わる行為

これは明確に人の命を危険に晒す行為であり、相手が本当に命を落とす危険性もあるため、どんな理由があっても正当化されません。

法的責任と刑罰

また、もしこれを誰かに対して行った場合、傷害罪や殺人未遂罪に問われる可能性が極めて高く、重大な刑事責任を負うことになります。

その場のノリやネットで見た知識で行ってよいものではありません。


ウォーターボーディングの歴史:拷問としての使用の実態と国際的な流れ

ウォーターボーディングは現代のCIAによる尋問手法として知られていますが、その歴史ははるか数百年前までさかのぼります。以下では、世界各地でウォーターボーディングがどのように使われてきたのかを時系列で整理して解説します。


【中世〜近世】宗教裁判や法制度の中で使われたウォーターボーディング

スペインの宗教裁判(15〜17世紀)
スペイン異端審問では、信仰を疑われた者に対する拷問の一環として、ウォーターボーディングに類似した手法が頻繁に用いられました。特に「吊るし刑」と並んで、多くの異端者に苦痛を与える手段として実施されたとされています。

フランス(1541年)
1541年に制定されたフランスの法典では、ウォーターボーディングが「Torturae Gallicae Ordinariae(フランス式標準拷問法)」として記録されており、当時の公式な拷問手法として法的に承認されていました。


【17〜19世紀】植民地支配と戦争の中での利用

オランダ東インド会社とアンボイナ事件(1623年)
17世紀、オランダ東インド会社のエージェントはインドネシアのアンボイナ島で、日本人を含む外国人に対してウォーターボーディングを含む拷問を行いました。これが「アンボイナ事件」として国際問題に発展しています。

米比戦争(1899〜1902年)
アメリカ軍は、1898年の米西戦争後に起きた米比戦争において、フィリピンの反乱兵に対してウォーターボーディングを使用しました。当時「水治療法(water cure)」や「中国式水責め」とも呼ばれていました。
この際、エドウィン・グレン少佐がウォーターボーディングを実行したことで軍法会議にかけられ、10年の重労働刑を宣告されました。ルーズベルト大統領は軍法会議の判決に干渉しましたが、最終的にグレン少佐は軍を除隊となっています。


【20世紀】戦時中の拷問手段としての拡大

第二次世界大戦(1939〜1945年)
日本軍、特に憲兵隊(特高警察)が、占領下のシンガポールなどでウォーターボーディングを実施したと報告されています。
また、ナチス・ドイツの秘密警察ゲシュタポも、占領地での尋問において類似の水責めを行っていたことが明らかになっています。

アルジェリア戦争(1954〜1962年)
フランス軍はアルジェリア独立戦争中、独立派の活動家を拷問する際にウォーターボーディングを使用しました。
ジャーナリストのアンリ・アレッグは、1957年に自身がフランス落下傘部隊からウォーターボーディングを受けた経験を記事として発表し、大きな波紋を呼びました。これをきっかけに1958年、フランス政府は正式にこの手法を禁止しました。
なお、2001年にはフランス陸軍のポール・オーサレセ将軍が、拷問を実行していたことを公に認めています。

チリ(1973〜1990年)
アウグスト・ピノチェト政権下のチリでも、政治犯への拷問としてウォーターボーディングが用いられていたと報告されています。軍政時代の人権侵害は、今も調査と告発の対象となっています。

カンボジア(1975〜1979年)
クメール・ルージュ政権下では、数百万人の国民が収容所で拷問され、その一環としてウォーターボーディングが使われたとされています。中でも悪名高い「トゥール・スレン刑務所(S-21)」では、詳細な記録が残されています。


【現代】国際的な非難と法的禁止へ

ベトナム戦争(1960〜1975年)
1968年、アメリカ兵が捕虜にウォーターボーディングを実施している写真がワシントン・ポストに掲載され、大きな議論を呼びました。米軍はこれを「軍規違反」として、該当兵士を軍法会議にかけたと報じられています。

アメリカCIAの使用とその後の議論(2000年代)
9.11同時多発テロの後、アメリカCIAはアルカーイダの容疑者に対してウォーターボーディングを使用していたことが明らかになりました。
2008年2月には、CIA長官だったマイケル・ヘイデンが、上院情報特別委員会で「3名の容疑者に対しウォーターボーディングを行った」と正式に認めました。

当時、ブッシュ政権は「短時間の使用であれば拷問ではなく、尋問手法である」と主張し、水責め尋問を制限する法案に拒否権を発動。これにより禁止法案は廃案となりました。
しかし2009年、バラク・オバマ大統領が大統領令によってウォーターボーディングを含むすべての拷問を公式に禁止しました。


要約と補足:ウォーターボーディングは歴史的に繰り返されてきた「拷問」である

ウォーターボーディングは、宗教裁判から戦争、独裁政権、そして近年の対テロ政策に至るまで、形を変えながらも一貫して「拷問」として利用されてきました
現代では国際法の下で明確に禁止されており、多くの人権団体がその使用を非難しています。

この歴史的背景を正しく理解することは、現在の人権や拷問問題を考えるうえで極めて重要です。


まとめ:ウォーターボーディングは「拷問」であり、人道的にも法的にも許されない

ウォーターボーディングは、一部の報道やSNSで「尋問手段」として紹介されることもありますが、実際には人道的にも法的にも認められない拷問行為です。

精神的・肉体的苦痛を極限まで与え、人間としての尊厳を踏みにじる手法であり、その使用はどのような理由があろうとも許されるものではありません。

だからこそ、決して興味本位で真似をしたり、軽んじたりしてはいけないのです。

最後に:この記事を読んだあなたへ

この記事を通して、ウォーターボーディングの本質と危険性を理解していただけたなら幸いです。

周囲にこの手法について誤解している方がいれば、ぜひ本記事をシェアしてください。

また、こういった人権や拷問に関するテーマに関心がある方は、コメントやフォローも歓迎しています。


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