騒音トラブルが招いた悲劇――ブルックリン銃撃事件の全貌

最近、定期的にX(旧Twitter)で拡散されている海外の動画でとあるアパートの近隣住民トラブルにて一方の男性が急に銃を取り出し、相手に発砲してしまうというショッキングな映像を見たことはありますでしょうか?
この動画は主にX(旧Twitter)で度々拡散されていることがあり、海外のアカウントでの投稿になりますが、日本でもよくおすすめのタイムラインに上がってくる動画の一つになっていると思います。
この動画を見たことがある人は分かると思いますが非常にショッキングな映像で恐怖感が募るような映像になっており、あまり何度も見ることは拒まれるほどの映像になっています。
今回の記事ではこのXで拡散されているショッキングな映像の事件について、撃たれた人はどうなったのか、加害者の犯人は最終的に逮捕されたのかどうなのか?
その後の情報や事件のきっかけ、背景状況などを調べましたので詳しい情報をまとめて整理して記載いたします。
事件の概要
まずは簡単に事件の概要を説明いたします。
事件はアパートの監視カメラにより記録されており、映像には口論の末、今回の犯人、ジェイソン・パスが突然拳銃を取り出して発砲し、父と息子を次々に撃つ様子が克明に映されていました。被害者のマトゥリン氏は銃弾を被弾後、這って自宅に戻ろうとしましたが、パス容疑者は彼を追い、至近距離からとどめの一発を撃ったとされています。
まずは度々X(旧Twitter)で拡散、炎上している動画の投稿をご確認ください。
映像が捉えた衝撃の瞬間
こちらが実際の映像です。
かなりショッキングな映像だと多くの人が感じる映像になると思います。
【以下が映像の要約と事件の流れ】
冒頭:
屋内の共同スペース(アパートの廊下のような場所)に、女性が先に出てきていて、なにやら言い争いの雰囲気があります。服装からしてリラックスした室内着で、時間帯は夜か早朝と推察されます。
男性2人が登場(父と息子):
数秒後、ドアから2人の男性が出てきて(白シャツと黒シャツ)、女性に詰め寄るような形になります。映像ではすでに緊張状態が見られます。
突然の銃撃:
隣人と思われる人物が、ドアの陰から拳銃を取り出して発砲。白シャツの男性が即座に倒れ、続いてもう一人の男性も撃たれて倒れます。
これは命に関わる重大な銃撃事件であり、単なる口論から一瞬で暴力へとエスカレートしています。
女性の反応とその後:
撃たれた直後、女性は恐怖のあまり部屋の中に避難しドアを閉める。その直後、倒れた男性が閉まったドアの前で動かなくなったにも関わらず、犯人はその動かなくなった男性に再度発砲。映像はそのまま終わります。
加害者ジェイソン・パスの背景と動機
実は今回の近隣トラブルというのは被害者の下の階に犯人のジェイソン・パスが住んでいた形となっていたそうです。
そしてパスの上の階から被害者の家族の物音が気になったらしく、それに対して注意をしたことで口論となり、銃撃事件に発展したということだそうです。
加害者のパスは、以前MTA(都市交通局)の車掌として勤務していたそうです。
さらにシン・シン刑務所で看守を務めた経験も持っていました。
彼は数年にわたり、上階に住む被害者親子に対して騒音トラブルの苦情を繰り返しており、2022年3月8日以降だけでも少なくとも6回「311通報」を行っていました。
被害者の妻、マリー・ドリルさんは「この男は体中の骨の一本一本で私たちを憎んでいた」と語り、事件当日もパスの部屋から怒りのこもった物音が聞こえ、夫が壁を叩き返したところ、パスがドアを蹴ってきたと証言しています。
被害者と加害者の関係
- 父親:Bladimy Mathurin(ブラディミー・マトゥリン)、47歳
- 息子:Chinwai Mode(チンワイ・モード)、27歳
被害者の父と息子は、パス容疑者の真上の階に住んでいた隣人だったと報じられています。
そして被害者の親族たちは、パス容疑者について「精神的に異常だ」と語り、日常的に騒音のクレームで嫌がらせを受けていたと証言しています。
被害者の妻であるマリー・ドリルさんは、パス容疑者が警察に射殺される前、CBSニュースの取材にこう語っていました。
「この男は、体中の骨の一本一本で私たちを憎んでいるのよ」
事件当日、ドリルさんはパス容疑者の部屋から怒りに満ちた物音(バンバンという衝撃音)を聞いたといいます。彼女の夫が仕返しに壁を叩いたところ、パス容疑者がドアを蹴ってきたとのことです。
「私は台所で皿を洗っていたの。突然“バンバンバン”って音が聞こえて、子どもたちに“誰か音出した?”って聞いたら、“誰も出してないよ、ママ”って。夫が叩き返したの。そしたらあの男が階段を上がってきて、ドアを蹴ってきたのよ」
警察の発表によると、マトゥリンさんはドアを開け、廊下に出てパス容疑者と口論になり、その際、ハサミを手にしてパス容疑者を威嚇するような様子があったといいます。するとパス容疑者は、マトゥリンさんとその息子に向けて発砲したとのことです。
事件後の展開――指名手配~犯人の結末
犯行後の犯人が指名手配に
事件を受けて警察は速やかに捜査を開始し、アパート内の監視カメラ映像などからジェイソン・パスが容疑者であると特定しました。
犯行後、パスは現場から逃走しており、ニューヨーク市警察(NYPD)は彼を二重殺人容疑で指名手配しました。
市民にも注意喚起が行われ、メディアでも大々的に報じられたことで、ブルックリン地域では一時的に緊張が高まりました。
警察は逃走経路やパスの過去の行動履歴を洗い出し、追跡を続けました。
犯人は結局どうなったのか
結局このような卑劣な犯行を行った犯人、ジェイソン・パスはどうなったのか?
2023年11月1日の朝7時頃、警察官が市内で運転中のパス容疑者を発見しました。
警察は彼の車両を停止させ、慎重に接近しました。しかしパスは、車からナイフを手にして降車し、警察官の制止を振り切って突進する行動に出ました。警察は15分にわたって説得を試みましたが、危険な状況と判断して発砲し、パスは胸に3発、脚に1発の銃弾を受けてその場で死亡(射殺)しました。
使用された銃器は登録されていない非合法なもので、事件に使われた拳銃についても引き続き捜査が行われています。また、警察はパスの車内にさらなる証拠が残されている可能性があるとして、捜索令状を取得して詳しい調査を進めています。
犯人を射殺した時の警察官のボディカメラ映像
そして海外のサイトではこの時の警察官に囲まれた状態で説得~最終的に射殺するまでの警察官のボディカメラの映像がアップロードされており、その様子を誰でも見ることができます。
もし気になる方がいるのであれば下記のリンクから映像を見てみてください。(ショッキングな映像のため閲覧注意)
ジェイソン・パスの死に関する調査 |ニューヨーク州司法長官
その後に判明したこと
パスが使用していた銃は登録されていない非合法のもので、警察は現在も事件の全容解明を進めており、彼の車両内の調査のため捜索令状を申請中です。
騒音トラブルのリスクと防止のためにできること
騒音トラブルは、当事者にとっては単なる生活音であっても、受け手にとってはストレスや不快感を引き起こす大きな問題となることがあります。今回の事件のように、長年にわたる小さな不満が積み重なり、最終的に暴力的な結果に発展するリスクを孕んでいます。
そのため、騒音問題に対処する際は感情的にならず、まずは冷静な対話の場を設けることが重要です。自治体や管理会社、あるいは第三者機関の仲介を利用することで、当事者間のトラブルを未然に防ぐことができます。
また、都市部の集合住宅においては、日常生活音がある程度発生するのは避けられない現実であり、互いに「生活音の許容度」を持つ心構えも必要です。一方で、音を出す側も無自覚な迷惑をかけていないか再確認し、防音マットの使用や時間帯の配慮といった対策を講じることが望まれます。
騒音トラブルを単なる「我慢」や「怒り」で終わらせず、建設的な対応によって解決へ導く姿勢が、悲劇を防ぐ第一歩となるでしょう。
まとめ――小さなトラブルが悲劇に変わるとき
日常の小さなトラブルが数年の積み重ねを経て、最悪の形で噴き出した今回の事件。騒音という一見些細な問題が、命を奪う悲劇につながる可能性があることを我々に突きつけています。被害者遺族は「なぜ銃で家族を引き裂く必要があったのか。正義を求めたい」と訴えており、この事件が社会に与える教訓は非常に大きいと言えるでしょう。
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